『2014年5月21日水曜日午前9時40分 : これから12月24日まで7ヶ月間、推敲を重ねてはいくのだが、2014年度のクリスマス・アルバムが一応の完成に至った。4つの楽章から成る。タイトルは“Nativity”。ジャケットはベツレヘムの聖誕教会内部の古写真を使ったもの。現在のところ、たいへん満足している。』(JINMO)
https://twitter.com/JINMOxxx/status/468914268986171392
2007年”Mass”、2008年”Melchior”、”Balthazar”、”Casper”、2009年”amor et mors”、2010年”I’m praying”、2011年”Incarnatio”、2012年”Virgin”、2013年”The Doors of Perception”と、毎年リリースされてきたJINMOのクリスマス・アルバム。
今年は、4つの楽章から成るサイコ・アコースティック・アンビエントなオーケストレート作品になっています。
もちろん、毎年聴かれる教会の鐘の音も入っています。
タイトルの”Nativity”とは定冠詞をつけて、”キリストの降誕、キリスト降誕祭、クリスマス”を意味し、定冠詞抜きで”キリスト降誕の絵画・彫刻作品”を意味します。
本作は絵画・彫刻昨品ではありませんが、音楽を時間芸術と呼ぶのなら、時間絵画、或いは時間彫刻の作品と言ってよいかもしれません。
ヘッドホンで耳を澄まして聴き入っていただければ、調とスケールを変える4つの楽章総てに、低く小さく祈りの声のようなパートが加えられていることに気づくでしょう。
これはその肉声録音の残る最古のローマ教皇・レオ13世(1810年〜1903年)の肉声を、JINMOがオーケストレーションの一部として加工し加えたものです。
ジャケット写真は、1930年代に撮影されたキリスト降誕の地ベツレヘムの”聖誕教会”内部の古写真です。
JINMOは作曲作業にとりかかる直前の独自のイメージ・スケッチ作業を、”Vorstellung(表象)”と呼んでいます。
冒頭のJINMOの言葉にもあるように、作曲前の非常に早い段階である”表象”から、この古写真と向き合い、常にこの古写真から感じるものを作曲段階で、時間絵画・時間彫刻していったという感じです。
そして長時間かけて完成した本作は、朔旦冬至の本年に相応しい、太陽と月、両者の生死無境が重なり、宇宙に共鳴するような、宇宙レベルのクリスマスっていう感じに、私には思えました。
ギター愛好家の方々にはもちろん、現代音楽、先端的テクノ、実験音楽をお好きな方々にもお薦めのアルバムです。
前作“Kutting”から僅かに10日。
通算第182作めのソロ・アルバム(Avant-attaqueからの第163作め)、リリースです。
もちろんCDと同等の、Apple ロスレス 44.1kHz 16bitの高音質です。
(Avant-attaque:HARI)