『宮沢賢治は“春と修羅”の巻頭に、“わたくしといふ現象は 仮定された有機交流電灯の ひとつの青い照明です (あらゆる透明な幽霊の複合体) 風景やみんなといっしょに せはしくせはしく明滅しながら いかにもたしかにともりつづける 因果交流電灯の ひとつの青い照明です (ひかりはたもち その電灯は失われ)”と記した。自我を現象とした上で、その実存を“電灯”というエレクトリックなものに例え、しかもそれが“有機”であるとしたことに、私は非常に興奮を覚える。脳内のシナプスでの発火は、まさしく有機の電灯であり、その回路が自我と知覚世界を形成するという、今日的には“クオリア問題”と呼ぶべきものへ見事に触れている。私はこの宮沢賢治の”有機的なエレクトリックなものの概念”に、透明な美と真理を感じている。』(JINMO) 有機、組織、器官、臓器などに関わる意味を表す多く単語が、“Orga”で始まります。 本作は27の小曲から成ります。 たいへんデリケートで複雑なパンニングと、スペクトル分布を特徴とするアルバムです。 ジャケットはJaakko Saari氏が撮影した美しい写真です。 ギター愛好家の方々にはもちろん、現代音楽、先端的テクノ、実験音楽をお好きな方々にもお薦めのアルバムです。 前作“Impromptu 140326”から僅かに14日。 (Avant-attaque:HARI) |