『本作が完成し、最終的な確認にプレイバックをしている時、「これはギターとコンピュータ?」とHARIさんが真顔で尋ねたので、私は大いに驚いた。普段から演奏会で奏でている音色ばかりを使用していたし、実に解り易いギターらしいギター・オーケストレーション作品だったと思っていたからだ。このやり取りで私は人間原理、クオリアの問題を出すまでもなく、ある事象は観測者の数だけ様々な彩りの現実として多重に存在する事を改めて再認識した。世界(universe)は個々に“Youniverse”として在り、個々の観測行為の反射として、常に主観的に知覚されていく。その世界に共振されての振動的運動体(dance)として、我々が在るようにも思う。』(JINMO) Jinmoidの演奏のみで作られたギター・オーケストレーション作品です。 全体に重量感のあるソリッドなグルーブに支配されたアルバムで、 ジャケット写真は石黒達也氏によるもので、演奏会“Life”の時に撮影されたものです。 たいへんデリケートで複雑なパンニングと、スペクトル分布を特徴とするアルバムです。 ギター愛好家の方々にはもちろん、現代音楽、先端的テクノ、実験音楽をお好きな方々に、たいへんお薦めできるアルバムです。 前作”Perpetuum Mobile”から僅かに12日。 (Avant-attaque:HARI) |