『これは音響的な”霊的花束”。関わるあなたが、すこやかに、美しい日々の生命を全うされますように。
天と同じくこの地上も、美しく平安でありますように。』(JINMO)
2010年であったか、2011年であったか…、制作開始がいつであったのかは定かではありませんが、
本作が一応の完成形に至ったのは2012年10月11日のことであり、そこから更に手を加え、
1年3ヶ月後の今日、JINMO自身が満足のいく完全な微調整を済まし、満を持してのリリースが実現しました。
前述のJINMOの言葉にある“霊的花束”とは、クリスチャンの用語。
教会では、ロザリオや主の祈り、アヴェ・マリアの祈り等を花に見立てて、それを集めたものをこのように言うのだそうです。
どのような花(祈り)を何本捧げたかをカードに書き、お祝いやお見舞いなどに“霊的花束”として贈る習慣があるそうです。
不過視の祈りの花束なのですね。
本作がオルガンによる教会音楽的なアンビエントに聴こえるのは、そうした訳があったのかと合点がいきます。
聴いていると、祈りを花に例えた昔の聖職者の気持ちが判るというのか、花ってみんな精霊が宿っているのかなって感じに思いました。
またいっせいに花が歌い出すと、このアルバムのように長調も短調も超えちゃう感じなのかとも。
ちなみに本作は、敢えて主調を明確にせず、長短の平行調のいずれへも移ろい、たゆたうような作曲が成されているそうです。
作品の音世界と完璧な一致をみせる美しいジャケット写真は、丹野徹氏によるものです。
モデルは中村由夏さんです。
本当に花の精のようですね。
たいへんデリケートで複雑なパンニングと、スペクトル分布を特徴とするアルバムです。
また可聴域すべてを満たし、それ以上の超音波帯域も含んだオーケストレーションが成されていますので、
良質のヘッドホンでの御鑑賞をお薦めします。
よく御質問を受けるのですが、JINMOが制作において使用しているモニター・ヘッドホンは、SONYの“MDR-CD900ST”です。
現代音楽、先端的テクノ、実験音楽をお好きな方々にはもちろん、ギター愛好家の方々にもお薦めのアルバムです。
前作”The Doors of Perception”から僅かに15日。
通算第159作めのソロ・アルバム(Avant-attaqueからの第140作め)、リリースです。
もちろんCDと同等の、Apple ロスレス 44.1kHz 16bitの高音質です。
(Avant-attaque:HARI)