ZENith Fire (ver.1.0)

1. ZENith Fire (18:27)



サンプル音源を視聴する為には、QuickTime(無料)が必要です。





第146作めのソロアルバム、その名も、“ZENith Fire”。

大好評の”Ascension Spectacle”、“Jubilus シリーズ”、”Schumann Resonance”、“The Brain Tuner”などの、JINMOが呼称するところの“サイコ・アコースティック・アンビエント”作品の、待ちに待った新作です。

タイトルの”ZENith”とは、JINMOによれば“霊的天頂”を意味するそうです。
また、”Earth”は4大元素(Air、Earth、Fire、Water)の内のひとつで、既にリリースされた“ZENith Air”、”ZENith Earth”に続く、この新たな“サイコ・アコースティック・アンビエント”作品四部作の第3作となります。

この四部作に寄せるJINMOの言葉です。

・・・


もっと、もっと宇宙を知覚したい。

『知覚の扉が清められたなら、あらゆるものが本来の姿で、人の前に現れるだろう、神さえも。 今まで人は自らを閉ざしてきたため、洞窟の狭い隙間から世界を知覚するようなものだった。』("天国と地獄の結婚"、著作:ウィリアム・ブレイク、翻訳:JINMO)

鼓膜が振動し、聴覚細胞がそれを微弱電流に変換し、その後、脳が音であると知覚する"通常の流れ"以外の、"別の流れ"は存在していると私は実感している。

私には比喩ではなく、文字通り、聴覚細胞、視覚細胞等、感覚細胞以外の総ての細胞も何らかの感覚能力を持つように思えてならない。

細胞自体のみならず、細胞内のミトコンドリアですら、己の外部を知覚し行動している。
白血球も然り。
我々は個体ではなく、群生する感覚器官の集合と言えると、私は感じている。

知りたい。
ソマチッド(714-X somatid)は、如何に世界を知覚しているのか?

“美”は視覚(絵画)、聴覚(音楽)のみに宿るのではない。
五感の総てに“美”は輝き、それら感覚は他と切り離された単独ではなく、相互に影響し合い、さながら錬金術師の乳鉢の内部でおこなわれる変容のように新たな“美”を生成しながら、間断無くインプットし続ける。
世界は“美”に満ちているが故に、私はヒトの知覚能力の有限性を信じない。

識閾下に豊潤な"美"が存在する。
確かに存在する。
むしろ"美"の主体は、顕在化した表層に浮かぶのではない。

もっと、もっと宇宙を知覚したい。
ZENithを仰げ。知覚の扉の鍵はそこにある。
(JINMO)


・・・

総てのJINMOマニア必聴、是非是非、過激な程の大爆音で、繰り返し繰り返しお楽しみください!

前作”Extremus”から僅かに20日。
通算第146作めのソロ・アルバム(Avant-attaqueからの第127作め)、リリースです。
もちろん、Apple ロスレス 44.1kHz 16bitの高音質です。

(Avant-attaque:HARI)



【44.1kHz 16bit でのダウンロード・リリースを始める/JINMO】

『 ネットを使えば、特に何かの媒体に広告を出さなくても、世界中に門を開く事ができる。小さなアパートの一室から世界規模で情報を発信して、振込で入金してもらう、というシステムが今なら可能ですよね。 例えば作品があまり一般的でない性格のものであっても良いし、また世界規模で売る事を考えれば、個々の国では僅かな枚数しか売れないかも知れないけれど、全部を合計したらまあまあの大きさになります。そうした中で作品を発表して、その売り上げを次の作品の制作費に充てる、そんな風にして、わがままな音楽家が本当に個人的な音楽を演りつつも、音楽だけで生計を立てていくということが、通信ネットワークの発達の御陰で可能になったんですよ。だからこれからは、インターネットなどを通じて、ひとりひとりの表現者が個々にレーベルを持つようになってくると思うんですよね。』

まだWindows95すら発売されていなかった今から18年前、“月刊ギターマガジン誌1995年5月号”に掲載された私のインタビュー記事からの引用だ。
1994年頃、RADIUSの登場により地方でのアクセスポイントの開設が急速になっていった頃、私は前述の予感に興奮し、周囲の者に、そう、ギターマガジン誌のインタビュアーにまで語ったが、その興奮を共有してくれる者はほとんど絶無であった。
無理も無い。
NTTによる常時接続(今日の1,000倍くらいの遅さ)が月額38,000円という価格でスタートしたのでさえ、1997年の事なのだ。
この予感は、愛好家が音楽を入手するのに“小売店”を必要としない、つまり“卸屋”を必要としない、“運送屋”を必要としない、そして“レコード会社”を必要としないで、作家が直接に愛好家と連結する状態を、意味する。
そう、音楽が“商品”としての枠組みから解放されて、音楽産業確立以前の、音楽が純粋に“音楽”として価値を放っていた時代への復権を意味するのだ。

そして2006年3月、『表現者と愛好家の直結』を実現する回路として、独自レーベル“Avant-attaque”を立ち上げ、介在者皆無のダウンロード・リリースを始動した。
しかし当時の一般的な通信速度と、再生装置のスペックを考慮すると、CD品質である“44.1kHz 16bit”でのリリースは非現実的であり、やむを得ず”MP3 160kbps”という圧縮フォーマットでのリリースとなった。
その後、2007年3月には”AAC 192kbps”、2008年4月には“AAC 256kbps”、2009年5月には“AAC 320kbps”と、常に一般的な通信速度と、再生装置のスペックを考慮しながら、逐次、高音質化をめざしたアップデートを継続してきた。
その度重なるアップデートの中、徐々に実現されていく高音質化に、確かに私は喜びは感じるものの、その一方で、高音質とはいえオリジナルよりは明らかに劣化する圧縮フォーマットであるAACへ、リリース直前で不本意ながら変換する作業中、自らの純情に対して忸怩たる思いを抱き続けてきたのも真実だった。

さて、契機は二つあった。
まず、2012年9月にリリースされたApple社の”OS X Lion 統合アップデート 10.7.5”のサイズが、1.91GBであった事。
約2GBという大きなファイルが一般的であるとは到底考えはしないが、Apple社がおこなうという事実から「2GBとはいえ、もはや非常識な大きさではない」という時代が到来したのだという認識が、私を大きく勇気づけた。
二つめに、2011年10月、たいへん良質な可逆圧縮方式である“Apple ロスレス”の、それまで非公開であったソースコードが公開されたという事。
Apple ロスレス”が、今後、かつてのMP3、AAC同様、Apple製品以外の機器やソフトウェアにおいても長く使われる規格となるだろう事が、この1年の業界の動向から強く実感できた。

そして…、
本日2013年3月23日以降、”Avant-attaque”からダウンロード・リリースされるアルバムは、“Apple ロスレス”フォーマットとなる。

これにあたり綿密な波形比較をおこなったが、 “Apple ロスレス”の波形は、まったくCDのそれと同一だった。
これはCDとまったく同様の音質であることを意味する。
また、サイズは60%から50%程度の圧縮を実現している。
加えて、曲名、アルバム名、ジャケットなどのデータを添付するID3タグにも対応している。

まず、 初めての“Apple ロスレス”フォーマット・アルバムとして、“Extremus”をリリースする。
これは超音波帯域も含む可聴域全域をフルに満たすパートでオーケストレートされた作品で、高音質を謳う “Apple ロスレス”での初リリース作品として相応しいものだと自負している。
加えて、アルバム “Extremus”は、全1曲で、途切れの無い「3時間19分18秒間」という音響体験になる。
この長さは約70分が収録限界であったCDでは、リリース不可能な作品だ。
ダウンロード・サイズは1.73GBとなる。
これはApple社の”OS X Lion 統合アップデート 10.7.5”のサイズ、1.91GBより10%小さい。

Avant-attaqueから既にリリースした125作品についても、今後順次、 “Apple ロスレス 44.1kHz 16bit”へとアップデートしていく。
既に旧バージョンを購入されている愛好家の皆様には、心からの感謝を込めて、無料アップデートの対応をさせていただく。

また価格については、全作品の統一価格という音楽業界の非合理な慣例は葬り、従量制とする。
具体的には「1秒あたり、0.008ドル」という計算でおこなう。
つまり50分(3,000秒)のアルバムなら、24ドル、25分のアルバムなら、12ドルとなる。
また72分30秒(3,750秒)以上の長さの作品は、如何に長くなろうともこれを総て30ドルを価格上限に定める。
これにより、最も長い作品である新作”Extremus”は、30ドルとなる。

既発作品に関しては、 “Apple ロスレス”へのアップデート時に同時に、価格改変していく。
ウェブ上でのサンプル音源についても、作品のアップデートと同時に“Apple ロスレス”によるサンプルへと入れ替えていく。

愛好家にとっては、より幸せな時代を享受していただけることだろう。
私もそうなのだ。
2006年3月のAvant-attaque始動以来、私が感じ続けていた「自らの純情に対しての忸怩たる思い」に、晴れ晴れと笑顔で、今、「あばよ!」と告げる事ができるのだから。

今までの厚いご支援に深く感謝し、今後の更なる歓喜の共犯をお約束しよう。

では、44.1kHz 16bitの“前撃”、Avant-attaqueをお楽しみください。

JINMO
2013年3月23日