『以前、ミチロウさんと福岡で共犯した時、出番前の楽屋で弦交換をしていると、「JINMOさん、備える兵士の様だ。」と言われた事がある。「うん、皆殺しの歌を轟かせるからね。」 そして、今も備えている。ギターにとびきりのフルメタル・ジャケット(装甲弾)を装填する今。万国の芸術兵士よ、共犯謀反せよ。音響銃弾で蜂の巣にしてやる。突き抜けて、突き抜けて、ぶち抜いて、ドカーンだ!』
( 演奏直前のJINMOによる呼びかけ)
大好評のライブ・アルバム、否、ライフ・アルバム”Life”シリーズ最新作、演奏会の実況録音作品です。
そう、“Life 121202”。
これは、2012年12月2日(日)におこなわれた演奏会の実況録音です。
カーボン系特殊樹脂を使用することにより、音響的にも人間工学的にも、他に類を見ぬほど合理化された形状を実現した楽器Jinmoid。
特にJINMO自身が愛用しているものは、艶消し黒の仕様になっているものですから、形状も色も楽器と言うより、まさに尖端兵器のような印象を与えます。
実際のライブを御覧になった人ならお解りでしょうが、JINMOの楽器の扱い方は、不用意に彼に近づこうものなら大怪我をしそうな、それはそれは危険な雰囲気が漂い(実際、襲われたお客さんも多数いらっしゃいます)、楽器を手にした時のその表情は、獲物を狩る時の嬉々とした肉食野獣のそれでありますから、なおさら迫力があります。
遠藤ミチロウさんが、このように仰ったのも無理ありません。
さて、JINMOは長年理想的な楽器を探し続け、前述のJinmoidの他、彼にとっての理想的なケーブル、ストラップなどを獲得したのですが、ピックのみが手に入らず探し続けていました。
20数年前には樹脂と金属を組み合わせたものを自作までしましたが、入手可能な素材で加工可能な範囲での工作では、限界があったようです。
そこでアタック・ノイズの少ないスタイラス・ピックをレガートな高速演奏用に、ノイズの多いものを野獣の叫びのような激しい演奏用(種類は決まっておらず、数年毎にいろんなピックが試されてきました)にと、2種類を併用するスタイルをとってきました。
そして2012年11月、ついに理想とするピックをJINMOは入手しました。
それはナッシュビルのハンドメイド・ピック・メーカー“V-picks”によるものです。
V-picksは硬質アクリルを素材に、厚さ11.85ミリ(iPhone5の1.6倍!)、本当に皮膚に突き刺さるほど尖端が研ぎ澄まされた60度の角を3つ有する宝石の様に美しいピックを、JINMOのために作ったのです。
これによりレガートな高速演奏も、野獣の叫びのような激しい演奏も、1つのピックで今まで以上に自在に表現できるようになったのです。
そう、それは宝石でつくられた『とびきりのフルメタル・ジャケット(装甲弾)』のようなのです!
このアルバム“Life 121202”は、『とびきりのフルメタル・ジャケット(装甲弾)』を使用した初めての演奏会の記録です。
いつもなら演奏時間の半分はタッピングがおこなわれるのですが、この夜は9割以上がピッキングでした。
このピックによって実現された音質のコントロールは、エフェクターによる音質加工以上のものがあり、プログラム・チェンジすることなくフレーズごとに、時に任意の1音ごとに、大きく音の表情が変化しているのがお解りでしょう。
観客の皆さんも、口々にその美しい音について感嘆の声を漏らしておられました。
以下、終演後に寄せられた感想の一部です。
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『きめ細かい粒子がキラキラ降ってくるような、そんな綺麗な音でした。』
『JINMOさんの演奏会 ”Life” で、倍音浴してきた。アクリル製の特注立体ピックでのトレモロは、どこまでも透き通って澄んだ音だった。相当の大音量なのに耳に痛くない、純度の高い高音域がキラキラしてた。』
『とても天真爛漫で無垢な音で、とても気持ちが良かったです。いやぁ、いい音でした。』
『今夜も最高でした!高音域のトレモロ、振動がびんびんきて快感でした。』
『久しぶりの jinmoさんの "Life" 爆音を浴びる 良い音でした。』
『久しぶりのLife、ストロボと轟音で、潜って浮遊してるような意識から、突き抜けて気持ち良かった。』
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このアルバム“Life 121202”では、全70〜80分の演奏の中から、冒頭部分(Life 121202-1)、中盤部分(Life 121202-2)、そして激しい終盤部分(Life 121202-3)を抜き出して、収録しました。
特に”Life 121202-2”は、私だけでなくJINMO自身も気に入っている演奏です。
また、シリーズ10作めにして、初めて観客による半ば放心虚脱状態での拍手と同時に、観客に感謝を述べるJINMOの声も収録され、実際のJINMOの演奏会の様子が更にリアルに感じられるようになっています。
録音は完全にステレオ・マイクによる収録のみでおこなわれ、ライン信号は一切使用されていません。
その夜、演奏されたままの音で、編集時の加工はほんの僅かな音質補正のみです。
もちろんオーバーダビングもありません。
すべての音はたった1本のギターとJINMOの10本の指、そして『とびきりのフルメタル・ジャケット(装甲弾)』のみで、発せられたものです。
この演奏会、”Life 121202”をおこなうにあたっての、案内状に於けるJINMOの言葉です。
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『音楽家としての大きな2つの活動、“作品制作”と“演奏会”。
この内、作品制作についてはAvant-attaqueによるダウンロード・リリースにより、作者の意に即応した自由なリリース・タイミング、内容の完全自由化、作品サイズの自由化などが実現し、ほぼ私の理想が実現できるようになった。
そして、もう一方の演奏会についても、今まで永らく、私の理想に近づけようと、様々な形を試み続けてきた。
演奏会は“新たなものが生まれ出づる場”であって欲しい。
強く、強くそう願う。
そこでは、予定調和や試行錯誤、観客の需要に合わせた供給としての表現等の一切が取り払われ、音楽家自身さえもが予想だにしなかった“新たなもの”と出会う歓喜に、私は照らされたい。
そこに介在する者は、単なる観客ではなく、事件や或る現象の目撃者であり、私と共にその招来を望み、霊的協力をし、そして“新たなもの”と出会う歓喜に共に照らされる者であって欲しい、同時にそう願う。
私はその “新たなもの”が生まれ出づる歓喜の時に、“Life”と名をつけた。
Lifeは、生命、人生、日常である。
音楽産業の一翼を担う既存の商業スペースではない場所が、その “新たなものが生まれ出づる場”に相応しい。
その会場もようやく整った。
歓喜に共に照らされる者は、私がこの人なら喜んでくれるだろうと思い、選ぶ人に限る事にした。
その場に並ぶ者は、私を除いて12人。
あなたに、その内の一人になっていただきたい、最後にそう強く願う。』 (JINMO)
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この“Life”という演奏会は、JINMOによって“新たなものが生まれ出づる場”と成る事を目論んで挙行され、そしてその目論みは見事に実現されました。
その記録が、このアルバムです。
ジャケット・デザイン、及びジャケット写真は、毎回、フォトグラファー丹野徹氏によって制作されています。
“新たなものが生まれ出づる場”に、これ以上相応しいものは無いというべきものだと思います。
特に今回のジャケットは、JINMO自身もシリーズ中、最も気に入っているそうです。
総てのJINMOマニア必聴、是非是非、過激な程の大爆音でお楽しみください!
『突き抜けて、突き抜けて、ぶち抜いて、ドカーンだ!』
前作”Psychatronix”から僅かに1日。
通算第139作めのソロ・アルバム(Avant-attaqueからの第120作め)、リリースです。
もちろんCDと同等の、Apple ロスレス 44.1kHz 16bitの高音質です。
(Avant-attaque:HARI)