『その演奏中、私の心臓は確実に壊死を進行させていた。
死ぬまで演奏し続ける”悲壮な覚悟”のようなものなど、私には無かった。
むしろ死んでもなお演奏し続けるのが、”当然の歓喜”であると感じていた。』
(JINMO)
第127作めのソロアルバム、その名も、“Vision”。
御存知のように、 2012年4月14日(土)におこなわれた演奏会”Life 120414”の演奏直後、心臓に重篤な異常を自覚し、観客退場後すぐに救急車にて聖路加国際病院に搬送。
急性心筋梗塞と診断され、そのまま緊急手術を受けました。
この演奏の最中、JINMOの心臓の一部は既に血流が途絶え、死に始めていました。
比喩ではなく、文字通りの命懸けの爆奏。
その死の最中の音。
旧生JINMOの遺作は、アルバム”Life 120414”として同年4月30日にリリースされました。
しかし、演奏会全体の内、10分41秒が収録されたものでした。
そして、この“Vision”…。
これは、2012年4月14日(土)におこなわれた演奏会の実況録音です。
アルバム”Life 120414”に収録されなかった他の部分から、53の断片を抽出し、再配列したものなのです。
演奏中、演奏直後、搬送中、そして手術中のJINMOは、このアルバム“Vision”のように、意識は連続性を喪失し断続的になり、また時系列もランダムとなり、この世のものとも、あの世のものともつかぬ“生死無境”に自己を確認していたそうです。
ジャケット・デザイン、及びジャケット写真は、フォトグラファーMona Ave嬢によって制作されています。
もちろん、その日のその時、2012年4月14日の演奏中のJINMOの姿、旧生JINMOの遺影です。
JINMOが言うには、このアルバムの53の断片は時系列が乱してあるので、そのままの曲順で聴いても、シャッフル再生しても同義であり、また任意の1つを延々とループさせていただくのもお薦めだ、との事です。
総てのJINMOマニア必聴。
JINMOがその死の最中に何を“観た”のか、この死の最中の音から共感してください。
前作”Life 120825”から僅かに7日。
通算第127作めのソロ・アルバム(Avant-attaqueからの第108作め)、リリースです。
もちろんCDと同等の、Apple ロスレス 44.1kHz 16bitの高音質です。
(HARI Avant-attaque)