『今夜は"豊穣の海"がテーマになった。いつものように、予めの想いなど無く、身体を媒体として委ねている(私自身、何を弾くのか知らない)ので、演奏の前後でそれについて観客に述べる事はなかった。しかし終演後、「なんか今夜は、三島由紀夫さんだったんだよね。」とHARI嬢が呟き、私は震えた。』(JINMO、2012年7月28日、爆奏直後の言葉)
第124作めのソロアルバム、その名も、“Life 120728”。
大好評のライブ・アルバム、否、ライフ・アルバム”Life”シリーズ最新作、演奏会の実況録音作品です。
そう、“Life 120728”。
これは、2012年7月28日(土)におこなわれた演奏会の実況録音です。
この夜のJINMOは“燔祭・伍”(2011年1月10日)以来、1年半ぶりにMacBook Pro上で動くギター用アプリケーション“Guitar Rig 5”を使用しました。
その為か、いつもに増して複雑で繊細、そして大規模なリアルタイム・ギター・オーケストレーションがふんだんに盛り込まれ、その音は或る種、荘厳崇高な光に満ちているようにすら感じられました。
終演後も、多くの観客は無言で半ば呆然としながら、そのまま長時間、美しい余韻の大海に揺られているようでした。
まさに、“豊穣の海”のような音世界だったのです。
録音は完全にステレオ・マイクによる収録のみでおこなわれ、ライン信号は一切使用されていません。
その夜、演奏されたままの音で、編集時の加工は音質補正のみです。
もちろんオーバーダビングもありません。
すべての音はたった1本のギターとJINMOの10本の指のみで、発せられたものです。
この演奏会、”Life 120728”をおこなうにあたっての、案内状に於けるJINMOの言葉です。
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『音楽家としての大きな2つの活動、“作品制作”と“演奏会”。
この内、作品制作についてはAvant-attaqueによるダウンロード・リリースにより、作者の意に即応した自由なリリース・タイミング、内容の完全自由化、作品サイズの自由化などが実現し、ほぼ私の理想が実現できるようになった。
そして、もう一方の演奏会についても、今まで永らく、私の理想に近づけようと、様々な形を試み続けてきた。
演奏会は“新たなものが生まれ出づる場”であって欲しい。
強く、強くそう願う。
そこでは、予定調和や試行錯誤、観客の需要に合わせた供給としての表現等の一切が取り払われ、音楽家自身さえもが予想だにしなかった“新たなもの”と出会う歓喜に、私は照らされたい。
そこに介在する者は、単なる観客ではなく、事件や或る現象の目撃者であり、私と共にその招来を望み、霊的協力をし、そして“新たなもの”と出会う歓喜に共に照らされる者であって欲しい、同時にそう願う。
私はその “新たなもの”が生まれ出づる歓喜の時に、“Life”と名をつけた。
Lifeは、生命、人生、日常である。
音楽産業の一翼を担う既存の商業スペースではない場所が、その “新たなものが生まれ出づる場”に相応しい。
その会場もようやく整った。
歓喜に共に照らされる者は、私がこの人なら喜んでくれるだろうと思い、選ぶ人に限る事にした。
その場に並ぶ者は、私を除いて12人。
あなたに、その内の一人になっていただきたい、最後にそう強く願う。』 (JINMO)
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この“Life”という演奏会は、JINMOによって“新たなものが生まれ出づる場”と成る事を目論んで挙行され、そしてその目論みは見事に実現されました。
その記録が、このアルバムです。
ジャケット・デザイン、及びジャケット写真は、毎回、フォトグラファー丹野徹氏によって制作されています。
“新たなものが生まれ出づる場”に、これ以上相応しいものは無いというべきものだと思います。
総てのJINMOマニア必聴、是非是非、過激な程の大爆音でお楽しみください!
前作”Angels”から僅かに10日。
通算第124作めのソロ・アルバム(Avant-attaqueからの第105作め)、リリースです。
CDと同等の、Apple ロスレス 44.1kHz 16bitの高音質です。
(Avant-attaque:HARI)