Mayakovsky (ver.1.0)

1. Mayakovsky 01 (08:21)
2. Mayakovsky 02 (15:10)
3. Mayakovsky 03 (10:54)






『成長の結末は、円熟、或は老衰。結末を露呈し始めたロシアン・アヴァンギャルドの終焉の始まりに、詩人は茫漠の詩の太洋で、自らを第13の使徒と認め、36歳で死を迎える。2012年3月19日、銀座gggでのロトチェンコ展会場内にBGMとしてエンドレス・ループで流され続ける詩人マヤコフスキーの自身の美しい朗読を、私は聴いた。残された声は、永遠に結末を拒絶するかのような、青春の声。それを耳にした夜から3楽章からなる作品“Mayakovsky”を作り始めた。』(JINMO)

第152作めのソロアルバム、その名も、“Mayakovsky”。

タイトル“Mayakovsky”とは、詩人ウラジーミル・マヤコフスキーに由来します。
彼は20世紀初頭のロシアン・アヴァンギャルドを代表する詩人です。
JINMOは1997年の旧ソ連邦ツアーの際、膨大な数のロシアン・アヴァンギャルド芸術に触れ、多大な影響を得たといいます。
(1999年、学研からリリースされたアルバム“コントル・アタック・ガンマ”には、その時モスクワのトレチャコフ美術館内で作られた楽曲“ロシアン・クラスター”が収録されています。)
それから15年後、JINMOは銀座でおこなわれたロトチェンコ展で、場内BGMとして流れ続けていたマヤコフスキーの肉声と邂逅し、その夜から本作の制作にとりかかりました。

収録されている3曲は、いずれもマヤコフスキー本人の声を使用しています。
私は本作に、ロシアン・アヴァンギャルド絵画に見られる明るさと暗さを感じます。
明るさは、生命が本来的に有している楽天的明るさ。
暗さは、未来という概念における絶望の暗さではなく、今、生命が曝されている死にゆきつつある現実の暗さ。
これは、ひょっとするとJINMOが普段よく口にするエロスとタナトスの“生死無境”という
概念の源泉に触れるものかもしれません。
永遠に結末を拒絶する青春の純情を、強く感じる作品だと思います。

ジャケット写真は、マヤコフスキー同様にロシアン・アヴァンギャルドの
芸術家アレクサンドル・ロトチェンコによるマヤコフスキーの肖像写真です。
ジャケット・デザインはJINMO自らおこなっています。

現代音楽、先端的テクノ、実験音楽をお好きな方々にはもちろん、ギター愛好家の方々にもお薦めのアルバムです。

前作”Guitar Solo Picking”から僅かに12日。
通算第152作めのソロ・アルバム(Avant-attaqueからの第133作め)、リリースです。
もちろんCDと同等の、Apple ロスレス 44.1kHz 16bitの高音質です。

(Avant-attaque:HARI)