+++ JINMO通信 (2010年9月18日号) +++
皆様、お元気でいらっしゃいますか? 新たに対談には能勢伊勢雄氏、JINMOに加え、前回同様に嘉ノ海幹彦氏の御参加も決定しました。 ---------------------------------------------------------- 【"Ascension Spectacle:Concert 3"の御案内】 JINMO
http://www.jinmo.com/main_discography/AS.html 可聴域総てを満たし、更にCDの収録限界の超音波帯域までに及ぶ"自然倍音完全音階"。 2004年4月27日、"Ascension Spectacle:初演"。 岡山 PEPPERLANDに於ける過去2回の"Ascension Spectacle"体験では、ほとんどの参加者に超自然的体験が訪れました。 そして、 今回の"Ascension Spectacle:Concert 3"も、 PEPPERLANDの素晴らしい音響設備を最高の状態で使用しての、肉体が文字通り共鳴する大音量での体験です。 加えて会場内はスモーク・マシンにより、自分の手も見えぬほど、真っ白な状態、所謂"ホワイト・アウト"状態になります。 能勢伊勢雄氏による6年前の"Ascension Spectacle:初演"の案内文からの引用です。 「そこには今だ人類が誰も耳にしたことが無い〈壮大な響の空間〉が出現していた。この作品を一部の人に試聴していただいたわけだが、試聴者が一様に口にしたのは『幻聴が聞こえた。』と言うものであり、幻聴に続き〈響きのスクリーン〉中から次々とイメージが創発されてくるという体験だった。古代人が聞いただであろうハルモニアの世界がそこには見事に再現されていた。-(中略)-おそらく幻聴だけでなく幻視体験や、果ては神の声や姿を視る霊視霊聴体験まで誘発するのではないかと想定しています。」 今回はまず、能勢伊勢雄氏と私との"対談1"で始まります。 更に、"対談2"を挟んで、私がデザインし、ドイツのBassLab社と共同開発した特殊弦楽器"Jinmoid"を使用しての"Ascension Spectacle:ギター独奏"を演奏します。 そして、終演後に"対談3"がおこなわれます。 改めて、謹んで貴方を御案内いたします。 2010年晩夏 JINMO ---------------------------------------------------------- -----以下は能勢伊勢雄氏による御案内です。 JINMO"Ascension Spectacle:Concert 3"へのお誘い ライブハウスの黎明期からライブハウスを岡山で主宰し、『ROCK MAGAZINE』誌の編集ならびに執筆に携わりながら、今日まで音楽の色々なシーンを見てくるなかで、ほとんどの人々が何の疑問も抱かず音楽を享受し楽しんでいる音階に対してずっと疑問を抱えていました。 その疑問は、誰しも幼少期に体験したであろう、ピアノの鍵盤を両肘で一気に押えた時に出る不快な響きや、歌を音楽教師の弾くピアノに合わせて練習した時の伴奏で感じた「似ているような似ていないような」嘘っぽさ等。きっと色々な思い出を持っておられることと思う。これらは後に判明してくるのだが、ピタゴラス・コンマと呼ばれた音ズレに起因した問題であると同時に、音階が僅か12音しか無いグリッドの荒さに起因したことから生じていた。 JINMO氏に取り組んで頂いた作業は、現代の音楽が依拠している「音楽の基盤の書換え」だといえる。そして、これらの問題が解決された音階である「自然倍音完全音階」を、次世代の音階として、この度JINMO『Ascention Spectacle』を世に送り出すことができたのである。このことは長年音楽に携わってきた私にとって最高の喜びである。非常に失礼な言い方ではあるが、私の人生のうちでJINMO氏という"奇特なアーチスト魂"に出逢わない限り、この作業が実現しなかったことは間違いない。 今にして思い起こせば、1987年に須藤幸一氏がルドルフ・シュタイナー関連の音楽論を、独力でドイツ語から訳出し、私に私家本をプレゼントしてくれた時にこの問題は端を発している。丁寧に手書され製本されたフェリチタス・ムーへ著の『ムジック・テオリア』には、音楽の深遠なテーマである天界の音楽=ハルモニアが語られていた。この書物との出逢いから、音律の問題を、折りに触れ、私は意識するようになったのである。 こうした日々のなかで『ROCK MAGAZINE』誌の盟友であった嘉ノ海幹彦氏をお招きして、私が岡山のFM局開局以来、毎週一時間、新しい音楽の動向とその背景を紹介しているFM番組に番組に出演して頂いた。そこでハルモニア音階を取り挙げるチャンスに恵まれ、ゲストにお迎えしたJINMO氏から色々な見識を番組中で語っていただいた。 このような経過を経てJINMO氏のなかでハルモニア音階に挑む決意が産まれたものだと思う。 制作が始まり、最初は純正調音階を問題にしたが、音律を調べていくうちに、純正調すらも先述したピタゴラス・コンマの問題を完全に解決していない音階であることが次第に明確になってきた。そのため音ズレの無い完全音階に挑む必要性が生じ、JINMO氏に多大なご苦労をおかけすることとなった。(この経緯はJINMO氏HP参照)そこで、JINMO氏がとった手法は驚くべきことに、等差音階と呼ばれる方法であった。 音階には等差音階と等比音階という2種類の音階制作法がある。今日用いられている通常の音階は、合奏の必要性から転調を容易にする等比音階であり、耳に馴染んだ12平均律はもちろんこの等比音階で創られている。また、12平均律以外の黄金比音階、白金比音階も例外ではない。 この等比音階はどうしても比例係数が対数的に音高に掛かるため、そのままでは音階の範囲外に飛び出してしまう不都合が生じ、この問題を解決する為に、再び、除算を加えてオクターブ音階の内に組み入れるという、苦肉の策が必要となる。その結果、音ズレの回避が難しくなる。 この問題をJINMO氏は等差音階という方法を使うことによって解決したのである。しかも、110Hz(A)を基音とし等差をもって音律を構成することにより、等比音階をもその内に組み入れることを可能にしたのである。このことを良く考えてみれば、等比音階で用いられる"乗算"は加減算の形で等差的に解釈可能な構造を孕んでいる。つまり、等差音階の連続体の内に等比音階が顔を覗かせることを意味する。それに加え、等比音階の係数である12平均律の比率1.0594や、黄金比音階の比率1.618が無理数なのに対し、自然倍音完全音階は整数の比例関係で顕れるということが音ズレを回避できる重要なポイントとなる。このような音階制作法をJINMO氏が行ったことは驚きであり、その結果生れた音階が、ピュタゴラスの53音階をも遥かに凌ぐ細かいグリッド数を持った202音階で構成された「自然倍音完全音階」の誕生であった。多くの音を重ねても完全に響き合う人類が初めて遭遇した音による万物照応の世界の体験。それはまさに天界の調和であるハルモニアの体験である。 詳細はCD+BOOK『Ascention Spectacle』に譲るが、このような自然倍音完全音階で醸し出される音楽体験の謎については、9月20日(月)岡山PEPPERLANDにて解き明かされるであろう。重ねて申し上げるが、私の人生のうちでJINMO氏に出逢わない限りこのCDの実現は決してあり得なかったのである。 ---------------------------------------------------------- 詳細は以下の通りです。 【"Ascension Spectacle:Concert 3"】 日時:9月20日.23:59から 会場:PEPPERLAND (岡山) ---------------------------------------------------------- 【重要な御注意】 安全確保のため、会場内は椅子を排除し、全員床に直接お座り頂きます。 また、癲癇、心臓疾患等の既往症や体調不良の方、妊娠中の方等はこのイベントへの参加はお見合わせください。 当日、開演前に、公演内容を把握され、万が一の不測の事態が肉体的・精神的に発生した場合においては参加者各々の自己責任として応じる旨の、"同意書"に御署名頂きます。 御予約は、以下の部分に必要事項をご記入の上コピー & ペーストして御送信ください。 *********************************************************** ---------------------------------------------------------- ---Avant-attaque(アヴァン・アタック)--- |